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シートの合わせ方の基本は、
”
両足がちゃんと奥まで踏み込める事(特にブレーキ) ” これが一番大事。
そして普段は、踏み足すにしても少し
緩めるにしても
操作に余裕があり的確になるぐらい、
気持ち膝や足首等の曲がる部分が少し曲がって余裕があるぐらい。
シートの下の方お尻の部分にスポンジ等を入れて
ペダルとの距離を調整。
それがだいたい出来たら次は両腕、
(ハンドルの上端下端は一見動かし易い様で、
走行中
いざ大事な時に不都合がある
持ち位置になってしまう事も多いので、真ん中よりちょっ
と上の
両端を握るのを目安に。
ちょっと座り心地を楽しんだら、
まずは一度軽く左右にハンドル
を切って感触を確かめる。
足と同様に肘や肩、手首
等も曲がって動く部分が一番遠くなった時でも
伸びきらない程度、
軽く曲がったままの余裕があるぐらいが良い所。
おおよそその部分が解ったら、今度は背中を
シートに気持ち押し付ける要領でも同じ感じが
出るように(必要に応じて)シートの後ろ
の上の方(背中部分)もスポンジ等で調整。
ここまで2点が一般的にする調整。
止まっている時と実際の走行時の感じは、
(それなりに運転出来ている様でも)思っているより
車の動きに応じて体が遠く離れたりと
適切な操作に見えない支障が出ている時あるので、あらかじめ
少し体を動かしながらイメージしての調整も良いし、何回
か
走行を挟みながら徐々に良い所を
見つけて行く事も必要。
又、微妙な厚み等で迷った時は少し近目を選択しの
走行がお勧め。
遠目からは微妙な違いに気が付き難いまま
何となく乗れてしまっても、近目からは気が付く
余地も、(スポンジ等を抜いてくだけ
なので)
再調整の手早さも
高く、そしていざ必要な時に
(ブレーキを踏み足りない等の)操作
不足も防げる率が上がります。
3点目、体とシートの横方向の調整。
車と違いシートベルト等が無いので走行中に体のぶれる余地があるのもカート一般の持ち味で
(車重に対して体重の比率が近いカート等は)それを利用する事等々も操作の選択肢の一つでは
あるのだけれど、ドライバーの多くが実際もっと大事に優先してすべきはもっと車やタイヤが何を
したいのかの機微を細かく捉えられるアンテナの余地を高める事と、それを受けての操作に
バラツキ(不確定要素)が出ない様にする為の基準軸を確立する事。
なので、(必要に応じ)シートの細くなっている部分と腰骨の出っ張りの間を目安に少し詰め物を
入れて少し体の軸がしっかりする様に調整します。
座った時に腰の横に手が滑り込む様なら調整の余地有り。
(荷重がかかった時にスポンジがつぶれ過ぎたりは、その揺らぎ分アンテナが鈍るので、)気持ち
堅めのスポンジ等を座る時に一緒に潜り込ませる要領で調整します。
(座ってから入れる要領は、隙間の余地が残ったり、走行中に落としてしまうとか、落ちそうなのを
気にしてになりがちなので注意。簡単にでも留められればそれが良いです。)
これらにより、特に初
心者や女性、細い、軽い人、子供等で、不必
要な走行中のグラグラ感が
残って、無意識な怖さや体のこわばり、余計な疲れ等々や苦
手意識を誘発している段階から、
地に足が付いた感触で安心感や余裕を生みだし、操作のミス等も防ぐ事
を手助けします。
操作ミス等で大きく車が動いた時にハンドルに掴まってしまって、リカバリー性の減少させて
しまう事や不要な怪我を生むリスクも抑制します。
なんとなくが進んでいる中級者も、(既に付いている癖が強いと基準を修正するのに時間がいる
けれど)一度重心や操作軸の基準をしっかり掴み安定させる事は、車体やリヤタイヤとの
コミュニケート性をより高めたり、微少なステ
アリング操作への初めの土台を導け、見えてない壁を
超えたりや、走行中の思い違いを減らすきっかけになります。
横方向の追加(体上部)の調整。
腰
骨横は少し堅めを挟む方向である一方で、肋の辺りは
何も入れないぐらいの方向で調整します。
この辺りは、ステアリング操作との兼ね合いで体の捻れの負担を吸収もしていれば、走行
中の
Gでの横方向の圧迫を受け易い為、適度な力の逃げ場の余地が良いと考えるからです。
とは言え、それらへの配慮はある程度以上の速度域に到達してからや、速度が遅くてもラフな操作で
急激な横滑り(ヨー)や傾き(ロール)を起こしがちな(例:力任せな)例での場合で一般には大丈夫です。
と言ってもやはり細身や長身等で、コーナリング中に明らかに上半身が傾きがちな場合、ハンドル
との距離も増減しがちな場合もあるの
で、その場合は調整の難しい肋の辺りではなく、身体的には
硬くしっかりした肩の辺りにパッドを入れての調整が良いかと考えます。
但し、ある程度動かす所でもある等から、あまりギチギチは避け、ちょっと傾き始めた時に始めて触る
ぐらい、極端に体が外に傾かなくても良い程度で支えるぐらいが一つの目安です。
(これも留めるか、落ちない様に注意。)
又この少し余裕を残した状態は、自分の操作によって多くのドライバーが意識しきれていない微妙な
ロール量を知る一つの目安にもなりま
す。(腰の軸が出た上じゃないと不確定要素が混ざり込むので注。)
こうした調整が、ブ
レーキをしっかりと使い
こなせる事に始まり、微妙なステアの切り過ぎ(こじり)や不足、
車がどれくらい駆動、制動しどれくらい横に逃げたり踏ん張っているか等々の見分けが付くようになります。
自身の操作の客観視と車の状況の把握具合が向上する余地が広が
り、単なる慣れだけ
ではない
ラップタイム等の安定も叶います。もちろん多少人により安定する所の速い遅いはあるとしても、ムラが
減って再現性も高まる事で次に必要な要素の絞り込みもし易くなれば、そこから自分なりに考え
導いた
工夫や小実験もより実のあるものに
なっていきます。今何が出来て何が出来ていないかが解っ
てくるに
つれ、(良く安易に気にしがちな)表面的なラップタイムの多少や(あくまでも目安で充分)、多少のラインの
違いがどうのこうのとかに惑わされ過ぎる必要も無い事が解ります。
その先にあるのが車に
乗せられた速さから、車の力を引き出し活かし一体となっ
た走りへの転換点です。
尚、焦って一遍に色々を取り入れようとしても一つ一つがおろそかのまま次に
進んでしまう事になり、
結局の遠回りにもなるので慌てずにが大事。
不安定さのある土台よりも着実な理解を伴ったものの方が応用性も効くものになり得ると思います。
一度では調整も理解も叶わないかも知れませんが、役に立つ部分があれば幸い。
あくまでも大まかな関連概念表
ペダル(ブレーキ優先)
|
両足
|
お尻
|
加減速、ピッチ
|
前後輪、駆
動輪、
ブレーキ、エンジン
|
ハンドル
|
両腕
|
背中
|
操舵、ロール、(ヨー)
|
前輪、操舵
輪
|
操作軸
|
腰
|
横
|
軸&アンテナ、ヨー&ロール
|
車体、後輪
(駆動輪)
|
[補足項]
よりフ
レームの硬いレー
シングカートの場合は、
・ 飛び乗る事、体の動く余地を積極的に利用する事
・ シート周りが車のセッティングの要素の一つとして考える余地がある事
・ (車と違い緩衝装置も少ない中で)剛性度の高さによりあまり体と車が一体化し過ぎていると
体にかかる捻れ等の負担が大きくなる瞬間がある事。
等からシートの調整のアプローチが違う場合があります。
ここで触れているアプローチについては、
・ やたらに速さに慣れてしまう以前にまず感覚を磨く事が先を見据えても、最初の段階としても大事であり、
普段の運転等への応用性も望み易い事。
・ 不必要な恐怖感等を避け、まず走行を楽しむ余裕を手助けする事。
・ レンタルカートもしくはそれよりちょっと速いぐらいの範囲ならフレーム剛性も柔らかく(ある程度車が
色々な衝撃を吸収する余地が高く) ある速度領域等からの車と体の一体化度による弊害は低い事。
・ もしより積極的な操作が必要になったとしても、軸の確立によって得られた機微を感じ分ける感性は
邪魔にもならなければ、より小さな操作等で同じ事を済ませる選択肢も広げられる事。
等も考えられ、モータースポーツ全般を通じてや普段の運転への活用も含めた方向性なっています。
[余談]
自動車競技の場合ならばシートベルト等があり基本的に体はホールドされる形になり、手足の距離感を
考えれば概ね良いですが、3点式の場合はどちらか一方向(右ハンドルなら右方向)には支えが効かない等
があるので注意を。もしそちらに飛ばされた瞬間があると、操
作したくても何も出来ずにただ空走させてしまう
瞬間が発生します。