【レースやフリー走行中に他の競争車と接触等した場合の対応方法】

 ===前提===
 
  カート、4輪に限らずコース上での走行中の接触事故等は、公道上の事故の判断同様に
 基本的に一方にのみ過失や責任が問われる事はありません。従ってそれらに起因する
 修復等も各自の負担等になります。


 ===コース上で接触があった場合の対処=== 


  ・ドライバー : 1. ニ次的事故及び火災の防止。
           2. 自己の退避及び安全確保。
           3. 事故の原因如何に関わらずまず相手方に一声をかける事。   
           4a. 必要の無い後方からの接触等の場合は最低限の謝罪。
           4b. (可能ならば二人で)事故状況等の分析。
              (お互いのレベルアップや今後のコース上での信頼関係に
              繋がる可能性が高まります。)

  事故後も競争継続のドライバーの場合は、チェッカーやドライバー交代後、上記に
 倣って行動してみて下さい。但し、コース上での当事者同士での声がけと違い、
 パドックでは多くの場合は必要の無い第三者の感情が乱入する場合もありますので、
 やや複雑な経緯がある場合は、パドック側からの視点等も交えての客観的な
 事実確認後、なるべく速やかに相手方に行った方が良い場合もあります。

  ・チーム及び監督等: 上記のドライバーの行動のサポートを行って下さい。
             必要に(状況確認に)応じて、余裕が出来次第、相手方チームに
            あらかじめ一声だけ声をかけとく事も上記をスムーズにする
            可能性が高まります。

             また、それらの事故等を避けられる部分等がはっきりして
            いる場合は、それらをドライバーに(強制ではなく)示唆確認する
            形でチーム内のコミュニケーションを取ってみて下さい。
             (明らかに危険な事の場合は時間を置かず強くドライバーに
            示す必要もありますが、大抵のものは問答法の要領で事故の直前
            からの経過を辿りながら、それらの行動に起因する周囲の状況を
            想像する癖を付ける機会を与えながらと言うのが良い方法かも
            知れません。特に子供の場合。)

 ※ 良くF.1等に於いて事故直後のドライバーや監督が相手方に、激しく抗議のパフォー
  マンスをする事がありますが、必ずしもどちらか一方が悪いと言う場合だけでなく、
  状況によっては(あくまでもスポンサー等を抱えている関係上等、互いで負うべき
  過失の部分を利用して)撮られている事を前提にあくまでもパフォーマンスを行って
  いる場合もありますので、割と一般の下位レース等で起こりがちな、直情的ないざこざは
  大抵の場合はあまり必要の無いものかと思います。

   私の経験でならこんな事があります。

  富士スピードウェイにおけるレース中、最終コーナー直前でミスを犯し、難なく私に
 外側を並走される立場になったドライバーが、明らかにハンドルを外に切り私をコース
 外に弾き飛ばそうとしてきた事がありました。ほぼ殺人行為(^^;)ですが、
 あらかじめこちら側では気付いていたので、その後の直線や彼の後続車との争いも含め
 不利になっただけです。(一番はオフィシャルがその行為をちゃんと観察していて、こちら
 で何もしなくても審判長より失格等の裁定が下されればベストです。)
  チェッカー後、車両保管場所にてさてどうしようかとじっくり考えつつも、チーム員と
 共にピットに戻り、その事実も含みレース中の経過を説明し、どの様な対応をとるのかを
 話し合っていると、どうやら私の後方にいた複数の別のチームのドライバーによって
 それらが明るみになり、別のチームの監督らによってこっぴどく彼が責められているとの
 情報が入ってきましたので、それにまかしたと言う事もありました。

  本当に必要な場合ならば、本人等がすぐに感情的にならずとも良いと言う例かなとも
 思いますが、如何でしょうか?

 ===接触等の無い場合でも他車に微妙にでも被害を与えた可能性のある場合===

  ・ドライバー: それによって明らかに走行順位を戻す必要等は(新たな危険防止も含め) 
          まず無いと思いますが、自身の走行に支障をきたさない余裕の出来た(直線等)
          段階で、当該車に軽く合図等を行い、必要に応じて走行後軽く会話を交わして
          おけばと良いかと思います。

 ===どちらが声を先にかけるのがベターなのか===

  特にどちらが先にと言う事はありません。
  余裕のある方が率先して行えば、仮に相手がその様なコミュニケーション方法を知らなくても
 それらに接して感じる機会になりますし、また、追突等なんだかんだいっても非の強い可能性が
 ある方が逆に声をかけられてしまった場合でも、その時に最低限の事を済ましておけば良いかと
 思います。もっとも出来れば非の強い可能性の側が先に動ければそれがスムーズです。
  
  時折、技量差のあるレース等の場合、追突された側が追突せざるを得ない状況になった事や
 追突された事自体を気付いていない場合もありますので、それらの場合は、余裕のある方が
 前後関係を整理し考え易いように経緯を提供してみるのも良い方法かと思います。
 
   
 ===個人的な前提===

  (ちゃんとしたレースになればそのマージンも少なくなりますが、)走行中に他車を追越し
 及び並走する場合には、もしこちら側が技術的、車両的、精神的なりに上回っている
 可能性があるならば、相手の技量等を見極め及びあらゆるミスによる前走車の失速等
 を踏まえた上で走行を行い、抜く場合ならば相手に必要以上の付加を欠けず、相手の
 マージンも残した走行でありつつ。魅せられる走行であるようにもなるべく配慮しています。


 ===まとめ===

  上記は私が4輪のレース経験上、自然と良い先輩方から引き継がれてきているかなと
 考えるものです。

  これから実際にモータースポーツへ参戦意思のある方や活動中の方でも、まして
 身近にいるレンタルカートの楽しみを知った方や、キッズカートのチビちゃん達や
 (特にレースを実際に経験する事無くキッズレースを経験している)その親御さん方の
 場合ならば、それらのちょっとした方法等を知る機会がないままに続けている場合等
 も少なく無いと思います。
  もしこれを読んでその意図を理解していただける部分がありましたら、今後の活動に
 おいてちょっぴりでも心掛けていただき、幅広く理解の得られるより良いレース界(広い
意味でね)にも繋がっていけばと思います。

  以上、よろしくお願いします。

                               Racing Driver 重冨 英和


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